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森林理想郷の伝統農林業と文化を未来に繋ぐ

宮崎県高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村 世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会

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事業概要

宮崎県の北西部に位置する本地域(高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村の3町2村)は、険しい山々に囲まれ、古来、高千穂郷(たかちほごう)及び椎葉山(しいばやま)と呼称された山間地です。
厳しい環境下で人々は、森林からの恵みを巧みに利用した複合的な農林業システムを築き上げ、その源である森林を大切に保全管理してきました。
世界的に山間地の人口減少が進む現在、本地域は強い地域住民の絆によって伝統的な山間地の農林業と文化が受け継がれるとともに、先駆的な地域づくりが行われており、世界のモデルとなる重要な地域であると評価され、2015年12月15日、世界農業遺産に認定されました。
この認定を地域の活性化に繋げるため、5町村と県及び関係団体で組織する本協議会では、「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」の保全・活用に向けた取り組みを進めています。

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主力商品・イベント

【主な産品】
木材、牛肉、釜炒り茶、米、シイタケなど
【ツーリズム】
五ヶ瀬町:グリーンツーリズム
日之影町:森林セラピー
全体:農泊の推進 など
【ランドスケープ】
五ヶ瀬川沿いに広がる棚田群(日本の棚田百選7カ所)
急峻な山腹に這うように建設された総延長500kmの山腹用水路網
諸塚村に広がるモザイク林相 など

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活動背景

○森林理想郷を目指した5町村が連携し認定へ
本地域は、もともと1987年に宮崎県が提唱したフォレストピア構想に基づき、恵まれた森林資源を活用した地域づくりに取り組んできた地域です。
「フォレトピア」の語源は、「フォレスト(森林)」と「ユートピア(理想郷)」という2つを組み合わせた造語であり、人々が森林の恵みを上手に利用しながら、いきいきと心豊かな生活ができるところ、即ち「森林理想郷」を意味しています。
当地域は5町村にまたがるうえ、JAや森林組合などの関係団体が複数存在する中で、2014年3月、推進協議会を結成し、高千穂郷・椎葉山地域として「世界農業遺産」認定を目指し取り組めたのも、このフォレストピア構想による連携基盤があったからこそと言えます。

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ポイント・効果

○世界農業遺産認定後の変化
「世界」と冠がつく称号を得た高千穂郷・椎葉山地域ですが、「世界遺産」の様に、一気に観光客が増加したり、地域経済が急激に浮揚するという効果を実感することは、その性質上難しいと考えています。しかし、少しずつではありますが、国内外からの視察も増えつつあり、そのことが地域農家にとって自分達の農林業のあり方を見つめ直し、地域への誇りを持つことに繋がっています。
当地域が世界農業遺産の認定地域であることは、シンポジウム開催や都市部でのPRイベント、インターネットを活用した情報発信など、様々なツールを用いることで徐々に浸透しつつあります。今後も世界農業遺産という制度そのものの認知度を上げなければ、その価値は高まらないと考え、国内外の認定地域とも連携しながらプロモーション活動に取り組んでいます。
○大学や高校と連携した取り組みを推進
世界農業遺産に認定された当地域の「山間地農林業複合システム」、ここにある農林業のあり方や生活文化が、学術的な視点でどの様に評価できるかについて、地元の国立大学法人宮崎大学の協力のもと調査・研究が進んでいます。
また、次世代育成事業として、宮崎県立高千穂高等学校では、「世界農業遺産」をテーマに地域農業や文化を学ぶカリキュラムを組み、地域に対する愛着と誇りを高め、地域に貢献できる人材を輩出できる教育プログラムに取り組んでいます。
2017年3月には、この様な取り組みの質をさらに高めていこうと、世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会、国立大学法人宮崎大学、宮崎県立高千穂高等学校の3者連携協定を締結しました。今後、研究や学習フィールドの提供、研究結果のフィードバック、人材育成や技術提供等の分野でお互いに連携・協力することが容易となり、世界農業遺産を活用した地域活性化に弾みがつくものと期待されます。

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活動規模

高千穂郷・椎葉山地域(高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村)
県内、国内、海外

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地域資源

○森林の恵み活用と強固な地域コミュニティ
本地域は、九州の中央部に位置し標高1,000mから1,700m級の険しい山々に囲まれた山間地です。圏域内で森林の占める面積は91.9%、耕地面積は2.9%程度に過ぎず、効率的な農林業を営むには厳しい条件下にあります。
その様な中、人々は自然を敬い、森林からの恵みを巧みに活用しながら、針葉樹による木材生産、広葉樹を活用したシイタケ生産、高品質の和牛生産、お茶の生産、棚田での稲作、焼畑等を組み合わせた農林業複合経営を営んできました。
また、不利条件を克服するため、この地域では古くから地域コミュニティの力で道路網の建設や用水路の整備に取り組んできました。例えば特に林業が盛んな諸塚村では、継続的な作業道整備により林内路網密度が日本一を誇るほか、山と渓谷が連続するこの圏域で米作りを行うため、急斜面な山肌に山腹用水路を築き、現在では圏域内で総延長約500キロの用水路が約1800ヘクタールの棚田を潤しています。
さらに、地域に伝わる伝統文化「神楽」は、五穀豊穣などを願う神事であり、現在も90近くの地域で奉納され続けており、その継承が地域コミュニティを強固に維持し続ける大きな要因の一つともなっています。

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今後の展開

当地域に限らず、国内の農山村では少子高齢化に伴う過疎化や後継者不足の問題は共通の課題であろうと思います。世界農業遺産の認定により、その問題がすぐに好転するとは考えにくい状況ですが、ここに暮らす人達にとって、その当たり前の暮らしや景観、文化が高く評価されたことは、大きな誇りとなっています。
厳しさを増す国際競争や農林家の高齢化など、直面する大きな課題はありますが、農泊や農作業体験等を活用したツーリズムを推進しながら交流人口を増やし、この豊かな森林や棚田等の景観、神楽等の農村文化を未来へと継承していくことで、地域活性化を図っていきたいと考えています。

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困難だったこと

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基本情報

■名称 :

森林理想郷の伝統農林業と文化を未来に繋ぐ

■住所 :

宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井13

■TEL :

0985-26-7924

■管理団体 :

世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会

■代表者名 :

会長 内倉信吾(高千穂町長)

■WEBサイト :

https://takachihogo-shiibayama-giahs.com/

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